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『転載による現代詩』『クロラ』『小倉拓也』

2009-06-08

墓地と快楽

19:53 | 墓地と快楽 - 『転載による現代詩』『クロラ』『小倉拓也』 を含むブックマーク はてなブックマーク - 墓地と快楽 - 『転載による現代詩』『クロラ』『小倉拓也』 墓地と快楽 - 『転載による現代詩』『クロラ』『小倉拓也』 のブックマークコメント

(正午、僕は一人で墓地にいる――)



墓がどんどん倒れていって、僕は楽しいと思う


イルカの隊列が見える



太陽が射している


うう、と言う骨抜きの体


粘体生物の咆哮を聴く


もっと


フランツに会いにいく



もっともっと


野村に会いにいく



それは個人名、ららら


銀行を襲う


墓が


どんどん倒れていって僕は快楽を見ようとする



「切ないねえ」なんて言われても


イルカが土でのたうっていて困る


戒名のセクシーな困鬱に寄り添う



ライバルが名乗る


ささやかな昼食は茹で置きされたソウメン、でも何故


「おばあちゃん、ごめんね」と白鳩


何故喋る? 「それは嘘だ」なんでも喋るから許してとは言わなかったね



ああ今すごく、悲しくて気持ちいい


寝転びながらまだ倒れやまない墓の群れを見る


墓地とは流星群



破綻した有限会社さえ襲う


墓が


物理的に襲う


墓が


むしろ生々しいイルカの臭いが


太陽に日干しされてもっと臭うイルカさえ


聴こえる



ラスト・ソングのずるずるとした触感と解体願望が


少女のように踊る


見よう見まねの骨折、脱臼


刺せば刺すほど魚になっていく少女


大砂丘に憧れた、彼はフランツの世界



美しい絶命と野村の界隈


土埃をあげすぎている


灰色の石、黒いうめき


欲望のない自転車が走り抜ける



悲しいことしか、もう楽しくない


ららら、とナメクジがきしむ


僕は最後までここにいる


御影石よ


これからはもっと悲しいことしか楽しくなくなる


(笑)