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『転載による現代詩』『クロラ』『小倉拓也』

2009-05-02

ナット・ヘントフ「ジャズ・カントリー」木島始訳より

06:12 | ナット・ヘントフ「ジャズ・カントリー」木島始訳より - 『転載による現代詩』『クロラ』『小倉拓也』 を含むブックマーク はてなブックマーク - ナット・ヘントフ「ジャズ・カントリー」木島始訳より - 『転載による現代詩』『クロラ』『小倉拓也』 ナット・ヘントフ「ジャズ・カントリー」木島始訳より - 『転載による現代詩』『クロラ』『小倉拓也』 のブックマークコメント

 「ああ、そういう言いかた、ぼくは知ってるんだ。ね、ユダヤ人が大学を出ると、なまりのある喜劇役者みたいに喋るもんだなんて、誰も思わんだろ。ところが黒人だと、いかす(ヒップ)喋りかたしないと、トム(*)ってことになるんだ。これも、反対の型にはまったやりかたじゃないか。」

 「皮膚の色って、ほんと複雑ねえ。このトムをごらん。このひと、ジャズ・ミュージシァンになりたがってるの。」

 フレッドは、始めて笑った。苛々した笑いかただった。「仲間入り歓迎だ。」かれは、ぼくに手を差し伸した。「部外者(アウトサイダー)たちの。」

 ぼくは、かれの手を取った――じつは取りたくはなかったんだが。



*トム

ここではH.B.ストウ夫人の『トムおじさんの小屋』に出てくる従順な黒人の典型としてのトムということである。黒人たちのあいだでは、「アンクル・トム的」という言葉がしばしば用いられる。