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『転載による現代詩』『クロラ』『小倉拓也』

2009-04-30

詩の意義

01:39 | 詩の意義 - 『転載による現代詩』『クロラ』『小倉拓也』 を含むブックマーク はてなブックマーク - 詩の意義 - 『転載による現代詩』『クロラ』『小倉拓也』 詩の意義 - 『転載による現代詩』『クロラ』『小倉拓也』 のブックマークコメント

君が

お金をくれても感謝はしない

毎日の苛立ちから救いだしてくれても感謝はしない



ぼろぼろに酔っ払っている時に水を持ってきてくれても感謝はしない

仕事を見つけ出してくれても感謝はしない

ひもじい時に君のご飯を分けてくれても感謝はしない



勇気を奮い立たせる歌を歌ってくれても感謝はしない

心がばらばらになりそうな時に

繋ぎとめてくれても感謝はしない



楽しい人生の道筋を示してくれても感謝はしない

何も感じなくなるほどに叩きのめしてくれても感謝はしない

たとえこの心が震えていても、それは感謝ではない



止めどない涙も感謝ではない

気持ちの良い朝の挨拶さえ感謝ではない

若く産まれ、やがて老いていく体をめいっぱいに使って、夏の夕暮れのように生きる熱を注いでくれても感謝はしない



ただ君が良い詩人であってほしいと僕は思う

機械のように、僕は思いつづける

君にかかわる無数のものたちの内に、一つでも詩があるように

それが人生の意味

2009-04-28

レーモン・ルーセル「アフリカの印象」岡谷公二訳 「訳者解説」より

02:45 | レーモン・ルーセル「アフリカの印象」岡谷公二訳 「訳者解説」より - 『転載による現代詩』『クロラ』『小倉拓也』 を含むブックマーク はてなブックマーク - レーモン・ルーセル「アフリカの印象」岡谷公二訳 「訳者解説」より - 『転載による現代詩』『クロラ』『小倉拓也』 レーモン・ルーセル「アフリカの印象」岡谷公二訳 「訳者解説」より - 『転載による現代詩』『クロラ』『小倉拓也』 のブックマークコメント

「マーシャル〔=ルーセル〕は文学上の美についてきわめて興味深い観念を抱いている。作品は、現実のものは何ひとつ、まったく想像から生まれた組合わせのほかは、世界と精神についてのいかなる観察も含んではならない、と言うのだ。」

 ジャネが書きとめているルーセルのこの特異な文学観は、このような方法の内的契機を明らかにする。

(中略)

神経症という関係しか結ぶことのできなかった現実に対して、ルーセルは深い怖れと嫌悪を抱いていた。その現実拒否は、嫌いな食物を決して口に入れまいとする幼児の、やわらげようのない頑さを思わせる。それは、治そうとする気持ちをはじめから捨てずにはいられないほどに重い、不治の病である。この拒否をバネにして、現実を超越する以外に、彼には行く道がない。

 言葉が現実と対応関係を持つことをルーセルが嫌うのは、かくして当然のことである。そうなれば、言葉は汚れ、醜くなる。彼に残された唯一のチャンスである言葉を救い出すため、彼は言葉の中にとじこもり、言葉そのものの運動にすべてを委ねる。ルーセルの方法とは、半ば遊び――死に至る遊び?――のように見えるけれども、このように、外見よりはるかに切羽つまったものなのである。

(中略)

 「私にとっては想像力がすべてである」と書いたルーセルは、当然、想像力の機能と生理を熟知していた。想像力という荒馬を野放しにするならば、堂々めぐりをするだけで、なんの役にも立たないことを彼は心得ている。馬銜を食ませ、鞍を置き、拍車と鞭で鍛え抜かなければならぬ。つまり想像力には、抵抗と束縛が要る。さもなければ、それは、どんな深みにも達しないし、どんな火花も発しない。ルーセルにとっての方法、および規則とは、この抵抗と束縛の役割を果たすものだったと考えられる。

 ルーセルは、束縛からの解放を欲求するより、解放されるために、まず束縛されることを必要とする人間である。正確さ、厳密さ、規律正しさ、秩序、規則性、――これは、彼の作品と生活を支配する大きな特徴である。その点で彼は、自身もそう信じていたように、あきらかに古典主義の側に立つ作家であった。

(中略)

 私たちは、この世界の中で生き、呼吸することができる。しかし、そこで生きようと望んだのは、誰よりもまずルーセル自身だった。作品が現実性を獲得するとは、彼にとって、単なる欲求以上に、当為だった。なぜなら、彼には、作品の世界以外に、ほかに生きる世界がなかったのだから。

J.D.サリンジャー「エズミに捧ぐ」野崎孝訳より

07:30 | J.D.サリンジャー「エズミに捧ぐ」野崎孝訳より - 『転載による現代詩』『クロラ』『小倉拓也』 を含むブックマーク はてなブックマーク - J.D.サリンジャー「エズミに捧ぐ」野崎孝訳より - 『転載による現代詩』『クロラ』『小倉拓也』 J.D.サリンジャー「エズミに捧ぐ」野崎孝訳より - 『転載による現代詩』『クロラ』『小倉拓也』 のブックマークコメント

 エズミ、本当の眠気を覚える人間はだね、いいか、元のような、あらゆる機――あらゆるキ―ノ―ウ―がだ、無傷のままの人間に戻る可能性を必ず持っているからね。

2009-04-22

レモン

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あつい夏の日のように

さざなみの音はします

文庫本の綴じ目から

汗がしたたり落ちます

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本当は知らなかったことたちが

かたかた音を立てて目頭を熱します

あれらは夏の日のスクリーンです

涼しい映画館のことです

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隠し持っていた文庫本がありました

見せないようにしていた朱筆の言葉

その奥に夏はあざやかで

初めて火傷を知りました

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四季”という区別はたぶん心の象徴です

それがあついと云うのなら、それは私の心です

夏は真っ先に、私は好きになるように思いました

気高い秋も壊れる冬も、フイルムの奥で待っていてください

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今日はすごく涼しくて

明日も昨日も涼しくて

唇は摂氏八度です

私たちの汗は水道水です

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映画の中のフィクションの夏

朱筆で上書きした”日本”

海とはこの世にあるのでしょうか

あの世でなければないのでしょうか

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あの檸檬というものを私は齧ってみたいと思うのです

それがこの世にあるものならば

可愛い春も、汚れる梅雨も想います

檸檬一つを求める季節へ、何処へでも私は向かいたいと思います(願わくば夏の訪れんことを)

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2009-04-19

大津仁昭歌集「爬虫の王子」より

01:08 | 大津仁昭歌集「爬虫の王子」より - 『転載による現代詩』『クロラ』『小倉拓也』 を含むブックマーク はてなブックマーク - 大津仁昭歌集「爬虫の王子」より - 『転載による現代詩』『クロラ』『小倉拓也』 大津仁昭歌集「爬虫の王子」より - 『転載による現代詩』『クロラ』『小倉拓也』 のブックマークコメント

パウダーに素肌被はれ人ならぬ未だ化身の夏の夕暮

わが顔を遺影に似合ふ角度から鳥や獣がほのぼのと見る

妻にして一管の笛 人知れぬ惑星の風に今宵ひびけよ

インタヴューもとより一対一の席しだいに死者の声音混じる

カクテルが便器に零れ滲みゆく水に見下ろす美しき婚姻

澁澤龍彥「高丘親王航海記」より

01:00 | 澁澤龍彥「高丘親王航海記」より - 『転載による現代詩』『クロラ』『小倉拓也』 を含むブックマーク はてなブックマーク - 澁澤龍彥「高丘親王航海記」より - 『転載による現代詩』『クロラ』『小倉拓也』 澁澤龍彥「高丘親王航海記」より - 『転載による現代詩』『クロラ』『小倉拓也』 のブックマークコメント

「おかしなやつだな。おまえは前に儒良を見て、人間に似ているからこわいといい、今度はまた人間を見て、儒良に似ているからこわいという。わたしたちとちがって色はいささか黒いが、あの男だって、ふつうの人間とべつに変りはないではないか。それともおまえの目には、あの男が儒良の人間に化けたすがたにでもうつったのかね。」

19:22 |   - 『転載による現代詩』『クロラ』『小倉拓也』 を含むブックマーク はてなブックマーク -   - 『転載による現代詩』『クロラ』『小倉拓也』   - 『転載による現代詩』『クロラ』『小倉拓也』 のブックマークコメント


楽しみは、悲しみをも運んでくる

海、あるいは湖に、打ち寄せる波を

子供のうちは知らなかったのです

それが毎度違うものだとは


風、もしくは林をすり抜く空気

それが異形の冷たさだとは

鹿を打ち抜く兆弾が

音によって知らされた(音ってなんて厭らしいのでしょう)

音、それは厭らしい

言葉となってそれはもっともっと厭らしい

それは大義名分を持っている

私たちは正しさに隷属する


私たち

抵抗します

楽しみが運ぶ悲しみに

悲しみが、膝元に抱く花束のような大海に


心は求めています

楽しみを

五歳の頃に林を駆け抜けたとき、首筋にできた切り傷を

あの楽しみを


海、林、町、ベッド、それらに

打ち寄せる光が

毎度違うものだとは

ああ、まさか毎度違うものだとは


誰も説明しなかったのです

いくつも受け取った愛のように楽しみは

更なる楽しみを求めていました

一杯の酒が酔いよりも次の一杯を求めるようにです


鹿が撃たれる音がしました

それは一つの銃音でした

いま私はベッドに横たわります

それは誰かの愛のようです