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肉芽観察現代詩 このページをアンテナに追加 RSSフィード

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肉芽観察記

詩inはてなハイク
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2009-04-18

浜辺の少女

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近くの小さな絵画店 見たことのない絵があった。

「浜辺の少女」と名のついた とても綺麗な水彩画の中

きみはぼくを見つめていた。

まだ桜の舞う春の季節なのに

きみは麦わら帽子をかぶっていた。

 

毎日きみに会いに行く いつもかわらぬきみがいた。

学校での出来事 悲しいことや楽しいこと いろいろ話しても

いつでもきみはおなじ微笑みをくれた。

もうセミの声が聞こえる真夏の日なのに

きみはさわやかな風に吹かれていた。

 

肌寒い秋のある日 きみだけは暖かい日を浴びていた。

きみのいる水彩画はいつもかわらないけれど

額は新しいものにかえられていた。

落ち葉舞う乾いた風のせいか

きみの微笑みは心なしか寂しげだった。

 

悲しい予感がした日 きみのいる絵が消えていた。

どこへ 誰のもとへ さよならもいえないまま

絵の取り払われた壁が 白くむなしくぽっかりしていた。

とても冷たく寒々しい 今にも泣き出しそうな冬の空なのに

きみは見知らぬ誰かに微笑みかけるのだろう。

まぶしい初夏の日がさす あの浜辺で。

 

きみはいつも微笑みを絶やさないのだろう。

今では思い出すことしかできない あの浜辺で。

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